こんにちは、あらまきです。

写真データの保存用として自宅にNAS(QNAP TS-233)を導入しようとしましたが、色々とうまくいかずに失敗になりました。

データの保存先として運用するのは無理そうだったので、NASは手放すことになりました。誰かの何かの参考になればと思い、記事にします。

自宅にNASを導入しようと思った理由

NAS(Network Attached Storage、「ナス」)とは、その名前の通り、ネットワーク(wifi)を通じてパソコンと接続するストレージ(SSDやHDD)のことです。

外付けのSSDやHDDだと、通常はUSBケーブルを差し込むことでパソコンに接続をします。

しかし、NASを使用することで、ケーブルを使う必要がなくなり、パソコンからWifiを通じてSSDやHDDにアクセスすることができます(SDDやHDDの無線化)。

自宅にNASを導入しようと思った理由は、私が保管している写真データの容量が大きくなりすぎて、クラウドストレージでは対応するのが難しくなってきたからです。

写真という趣味にハマって1年半ほどが経ちましたが、写真を撮るのが楽しくて楽しくて、写真データ(動画データも少し)は日々増えていくばかりです。

現在の写真データの保存環境は、2TBの容量のSSDとHDD、あとは200GBのプランのGoogleフォトの3つを準備して、撮影した写真データを3つのストレージに保存するようにしています。(SSDとHDDにはRAWとJPEGの全てを、GoogleフォトにはJPEGのみを保存しています。)

1年以上も写真を撮り続けていると、撮り溜めてきた写真のデータの容量は1TBを軽く超えてきます。撮影した写真をすべて残している訳ではなく、ある程度は選別した上で保存をしているのですが、それでも1年間で1TBずつくらいは増えていくみたいです。

保存している写真データが2TBに迫ってくるにつれて、これまで利用してきたストレージに対して、いくつか問題がでてきました。

問題1 クラウドストレージ(Googleフォト)の料金が高い

一つ目の問題は、クラウドストレージにかかるお金です。

クラウドストレージに毎月支払う料金は、保存しているデータ量が少ない頃(100GBくらい)は、そこまで気になりませんでした。

ですが、今の私のように扱うデータが1TB以上になってきたりすると、毎月の料金も結構高額になってきます。

私が利用しているGoogleフォトの場合ですが、2024年8月現在で、下の表のような料金体系になっています。

容量月額年払
100GB250円2,500円
200GB380円3,800円
2TB1,300円13,000円
5TB3,250円32,500円

私はGoogleフォトにはJPEGデータのみをアップロードするようにしているので、Googleフォトにアップロードしているデータ量はまだ200GB未満です。現在は月380円の支払いで済んでいます。カフェのコーヒー1杯分くらいの金額です。

しかし、データ量が200GBを超えると、次はいきなり2TBのプランにアップグレードする必要があり、支払う料金は毎月1,300円に上がります。

まだまだ先の話にはなりますが、仮にGoogleフォトのデータ量が2TBを超えると、次は5TBのプランになり、毎月3,250円を支払うことになるようです。

写真にハマって以降、撮影する写真の枚数は日々増えてきているので、そのうちJPEGデータだけでも1TBを超えてしまい、ゆくゆくは2TBも超えてくると思います。

このままGoogleフォトを利用し続ける場合、いずれは年間で3万円以上のお金を、クラウドストレージに支払い続ける必要があるのです。

問題2 Googleフォトの画像の読み込みが遅い

Googleフォトに対しては、毎月の料金の他にも、使い勝手の部分で以前から少し不満がありました。

それは、iPhoneからの写真の読み込みに時間がかかる、という点です。

私がGoogleフォトに写真を保存している理由は、バックアップの意味もありますが、ミラーレスカメラで撮影した写真をiPhoneからも気軽に見るためです。

GoogleアプリでiPhoneから写真を表示しようとすると、5秒〜10秒程度待たされます。(アプリで写真のサムネイルをタップすると、一旦画素の粗い画像が表示され、数秒後に綺麗な画像が改めて表示される、みたいな挙動をします。)

クラウドなので仕方がないですが、写真を開くたびに数秒間待たされるのは、毎回ちょっとしたストレスがかかります。

そして結局、iPhoneからGoogleフォトの写真を見ることはほとんどなくなってしまいました。

GoogleフォトはパソコンからでもiPhoneからでも扱いやすいので、バックアップ先としては非常に優秀ですが、閲覧に関しては微妙です。

iPhoneやスマホで撮影したデータ量の小さい写真であれば、Googleフォトでも画像を表示するのそこまで時間はかからないかと。

私がGoogleフォトにアップロードしている写真はフルサイズ機で撮影したものなので、画像のサイズが大きいのが原因なんだと思います。

問題3 3箇所に保存するのが面倒

これは今に始まったことではないのですが、最後の問題点は、写真データの保存の手間です。

私は、ミラーレスカメラで撮影した写真を、次のような手順で保存しています。

  • カメラのSDカードのRAWデータを、パソコン(MacBook)へ移動
  • Lightroomで現像、JPEGデータをパソコンに保存
  • パソコンのRAWデータとJPEGデータを外付けのSSDに保存
  • パソコンのRAWデータとJPEGデータを外付けのHDDに保存
  • パソコンJPEGデータをクラウド(Googleフォト)にアップロード
  • パソコンのRAWデータとJPEGデータを消去

外付けのSSDとHDDはパソコンに有線ケーブルで接続するので、いちいちケーブルを差し替えるのが地味に面倒です。

また、HDDは書き込み速度が遅いので、データの書き込みに時間がかかります。(書き込むデータによりますが、30分くらい待つこともあります。)

HDDやクラウドストレージが悪いという話ではないのですが、例えば、一度の作業でSSD、HDD、Googleフォトの全てに保存ができるような効率的な方法があったら便利だな、と感じます。

NASに期待していたこと

先ほど書いたストレージに対する問題の中で、最も大きかったのは、継続的に発生するGoogleフォトの料金です。

今でこそ200GBのプラン(月380円)で済んでいますが、今後の写真データ(動画データも少しある)が増えるにつれて、毎月の料金も上がっていくことになります。

また、クラウドにはJPEGデータだけをアップロードしていますが、本当のことをいえば(お金を気にしなくてよければ)、JPEGデータだけでなくRAWデータもクラウドストレージにバックアップをとっておきたいです。(JPEGに加えてRAWデータまで保存しようとすると、現時点で2TBか5TBのプランへ変更しなければなりません)

そんなこんなで「クラウドストレージに年間数万円を支払うのはちょっと厳しいなあ」と考えたりして、他の人(自分より写真に精通している人)が写真データをどのように保存しているのか、ネットやYoutubeを調べる事にしました。

写真データの保存方法についてYouTubeで調べていると、プロのカメラマンの中には、自宅や職場にNASを構築している人が少なくないようでした。

気になってYouTubeでNAS関連の動画をいくつか見たところ、どうやら、自宅にNASを構築すれば、私が抱えている問題たちが一気に片付きそうでした。

NASへの期待1 安く大容量ストレージが持てる(クラウドストレージの代替)

NASに魅力を感じた一番のポイントは、安く大容量のストレージを手に入れられることです。

NASのHDDにはパソコンからWifiでアクセスすることが可能なので、自宅で使う分には、使い勝手はほぼクラウドストレージと変わらないはずです。(これは自宅限定の話。外出先からだと、NASへのデータの読み書きは基本的にできない)

クラウドストレージはプランに応じた料金を毎月支払わなければなりませんが、これをNASに置き換えることができれば、NASの本体とHDDのお金を払うだけで、あとは毎月無料で擬似的なクラウドストレージを利用することができます。

また、HDDを大きなものにすれば(最大で20TBくらいのHDDまでは使用可能らしい)、保存できるデータ容量も今より格段に増えます。

エントリーモデルのNASだとAmazonで2万円前後で売っているので、NAS本体と2TBのHDD(1万円くらい)を購入すれば、3万円くらいで2TBの擬似的なクラウドストレージが持ててしまいます。これは一度購入してセットアップをしてしまえば、あとは無料で使い続けられます。

Googleフォトで2TBのストレージを持とうとすると、年間13,000円かかるので、3年くらいで元が取れる計算になります。

変な使い方をしなければ、NASもHDDも5年くらいは使えるようなので、NAS本体やHDDの交換を考慮しても、NASの方が半分くらいのお金で済みます。

また、例えば8TBのHDDがAmazonで2万円前後で売られてるので、8TBのストレージでも4万円くらいで構築できてしまうのです。

NASへの期待2 複数バックアップの自動化

NASに期待した2つ目の機能は、バックアップの自動化です。

上にも書きましたが、私は写真を現像すると、SSD、HDD、クラウドストレージの3箇所へ別々に保存をするようにしています。

一度にアップロードするデータ量が10GB〜50GBくらいあるので、特に書き込み速度の遅いHDDやクラウドへのアップロードだと、結構な待ち時間が発生します。

そこで、NASの自動バックアップ機能です。

有名なメーカーのNASには、NASに書き込んだデータを、外付けしたSSDやHDDへ定期的にバックアップをする機能が存在しています。

バックアップ先にしたいSSDやHDDをNASにUSBで接続して、あとはNAS本体でバックアップの頻度などを設定するだけです。あとは設定したタイミング(毎日0時など)に、NASが自動的にSSDやHDDに希望のデータやフォルダをバックアップしてくれます。

自宅に設置したNASをメインのデータの保存場所にして、SSDとHDDへの同期を毎日行ってもらうよう設定すれば、これまでは手作業で行っていた3箇所へのデータの保存の作業を、NASにアップロードするだけでできるようになるのです。(SSDとHDDへのデータのバックアップは、NASが自動でやってくれます。)

この保存の作業の効率化も、NASには結構期待していました。

後編に続きます

長くなったので、前編後編に分けようと思います。

後編に続きます。